『未完成』より⑩

2013-04-07

『未完成』より⑨の続きです。

徳永英明ストーリー『未完成』
(由比良・著 1988.9.10初版発行)
〝トゥモロー・ネバー・ノウズ″より抜粋。

 この日を境に、また一歩、彼は音楽への道に深入りする。たった数10人だが、拍手の音は彼の耳から離れることはなかった。
 「今度はバンドと一緒にうたいたいな…」
 そんな思いが少しずつだが、確実に彼の中でふくらんでいく。
 「この曲、バンドでやったらどんなアレンジがいいかな」
 彼自身のベスト・テープを手に、ぼんやりと考える時間が多くなった。
 「オレの音楽の才能ってのも、結構いけるのかもしれないな…」
 そんな思いに火を付けたのが、ある日漠然と見ていたテレビから聞こえてきたこんな文句だ。

この続きは、『未完成』より② でUPしています→コチラ

 けれど、この2度目のステージ体験は、彼の中の音楽の存在をさらにふくらませたことは言うまでもない。何より〝バンドで音を出し、うたう″という喜びを知ったことは大きかった。
 音楽への思いが高まるにつれて、通っている観光専門学校への情熱が冷めていくのを彼は感じていた。
 「結局、観光学校に行こうと思ったのも、〝逃げ″だったのかもしれない…。世界に出るんだ、なんて、格好つけてたけど…」
 やがて彼は、その専門学校を自主退学する。父親は、彼のその決心を聞いて「ウム」とだけ応えた。母親は、精一杯隠そうとした困惑の表情を、やはり隠せずに少しだけ浮かべて「どうするの?」と尋ねた。
 「とりあえずバイトやって、捜すよ」
 徳永はそう応えて、気まずい両親の前を辞した。申しわけない思いがグングンわき上がってくることが、彼をビックリさせた。
 彼は今で言う〝フリー・アルバイター″の身となる。だが彼は現在のなんでも美化し、格好をつけてしまう風潮の代表のような〝フリー・アルバイター″という呼称が大嫌いだ。
「ただフラフラしているだけじゃない、結局は」とさえ言う。そして事実、その時彼は生まれて初めて〝所属するところのない者″の心細さを味わう。
 「交通事故とかに逢ったら〝無職・徳永英明さん″になるんやろか…」
 彼は、少し自嘲気味にそんなことを思ったりしながら、〝孤独な自由″の生活に入る。だが、彼の中で〝音楽″は、彼自身も気がつかないほどのスピードで成長を続けていたのだ。


これで徳永英明さんの高校(学生)生活のお話は終わりです。
また、機会があれば『未完成』他よりいろいろ紹介したと思います。



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